企業分析をせずに就職活動を行っている方が多く、「思っていた条件と違った!」「イメージの雰囲気と違った!」とギャップに苦しんでいる方が多いです。私は現役ドラッグストアの管理薬剤師であり、転職で年収を150万円も上げることができました。趣味で常日頃からライバル企業の分析もしています。この記事では決算書をもとに企業を分析しています。決算書にはあなたが就職を希望する企業の詳細情報が丸裸に開示されています。この記事を読むことで企業の求める人物像や方向性がわかり、転職活動でライバルに「差」をつけることができます。
企業の基本情報
クリエイトSDは、神奈川県を拠点とする大手ドラッグストアチェーンで、医薬品や日用品、化粧品、食品など幅広い商品を取り扱っています。地域密着型の店舗運営を行い、特に関東地方を中心に展開しています。小商圏における高来店頻度のビジネスモデルを土台に企業の規模を拡大しています。患者さんとの「ふれ合い」を大切にし、極めて感じの良い応対で相談できるかかりつけ薬局になれるように日々努力をしている企業です。
昨年度の実績
クリエイトSD全体
2024年5月期の決算によるとクリエイトSDは売上高が4223億円(前年比+10.9%)、営業利益が202億(前年比7.0%)と好調に伸びています。これはエブリデイ・ロー・プライス施策が奏功して客数・売上が伸びたからです。販管費のコントロールも良好で増収増益となっています。
調剤部門
調剤部門の売上高は505億で前年比+16.2%と2ケタの成長率の高さがあります。
調剤併設の店舗数は380店舗と増加し、調剤併設率も50.5%と順調に右肩上がりです。
売上高の推移
クリエイトSD全体
クリエイトSDにおける直近10年間の売上高の推移です。クリエイトSDの売上高はどこを切り取っても右肩上がりで安定した成長を続けています。
調剤部門
調剤部門は直近5年の売上高の推移を示しています。店舗数・売上高ともに右肩上がりで成長を続けいています。
企業の安定性
クリエイトSDは、安定した財務基盤を持つ企業です。その中でも注目すべきは、自己資本比率が60.2%と高水準にあることです。自己資本比率は、企業がどれだけ自前の資金で事業を運営できるかを示す指標であり、50%以上を維持しているクリエイトSDは、財務の安定性が高いといえます。外部からの借入に過度に依存していないため、経済的な不確実性があっても耐久性があります。
さらに、クリエイトSDの営業キャッシュフローは210億3400万円に達しています。営業キャッシュフローは本業で得た現金の流れを示しており、これがプラスでかつ大きいということは、日々の事業活動が順調であることを意味します。この資金をもとに、クリエイトSDは設備投資や新規出店、さらには株主への配当などを行うことが可能です。 総じて、クリエイトSDは堅実な財務体質と安定したキャッシュフローを有し、今後の成長に向けた資金力もしっかり確保している企業と評価できます。
今後の経営戦略
クリエイトSDの今後の経営戦略をそれぞれ解説していきます。OTC薬剤師として働くか、調剤部門で働くかで参考にするデータは異なってきます。
クリエイトSDは今後の計画として2028年5月期の売上高5,500億円、経常利益率5.0%、店舗数950店舗、調剤併設率65.0%を目標に掲げています。
【ドラッグストア戦略】
クリエイトSDのドラッグストア戦略は以下の通りです。
- エブリデイ・ロー・プライスの継続推進
- 売り方工夫による荒利額確保
- PB商品の新規開発とリニューアル
クリエイトSDではいつでも安心して購入してもらえるようにエブリデイ・ロー・プライス施策を今後も行っていく方針です。また、積極的な改装や棚割のリニューアル、PB関連商品などの品揃えの拡充を行うことで客数増加&買上点数を目指していく計画です。
【調剤戦略】
↑↑直近5年間の調剤薬局の店舗と売上推移↑↑
クリエイトSDでは調剤薬局を40店舗新規出店を計画しています。
調剤併設の推進とかかりつけ機能強化による処方箋応需枚数も伸ばしていく計画です。2025年5月期の調剤併設率は53.2%を目指す方針。
【販管費戦略】
クリエイトSDは販管費を抑えるためにローコストオペレーションの徹底をしていく方針です。
- 人員の適正配置による人時コントロールの推進
- 太陽光発電設備導入による光熱費の抑制
- 物流センターの新設・再配置による物流効率改善
クリエイトSDではエブリデイ・ロー・プライスを継続して行いつつ、作業効率化、人員の適正化を行って経費抑制を行っていきます。エネルギー価格の高騰には節電対策や、太陽光発電設備の導入による運営コストの削減を行っていく計画です。
経営戦略から導くクリエイトSDが求める薬剤師像
クリエイトSDが求めている人物像は決算資料や経営戦略からみえてきます。なぜならば企業というのは現在の姿と未来に描いている姿の差を埋めるために人材採用を行っているからです。
- 管理薬剤師(薬局長)へ積極的に取り組もうと意欲のある方
- かかりつけ薬剤師などの対人業務を積極的に行い接遇もしっかりしている方
- 在宅担当者や近隣医療機関とのコミュニケーションを積極的に行える方
管理薬剤師(薬局長)へ積極的に取り組もうと意欲のある方
クリエイトSDで求められる薬剤師として管理薬剤師へ前向きな方が挙げられます。これは調剤部門の今後の戦略として高速出店による調剤併設率の向上を掲げているためです。2025年の出店計画は40店舗を新規開局する計画のため、それに伴い40名の管理薬剤師が必要となります。中期的な計画でも2028年までには全店舗で950店舗、併設率65.0%を計画しています。今後も管理薬剤師の需要は高いのが明確です。管理薬剤師は店舗の管理者という立場にもなり、責任も伴うことから不安で躊躇する方や、やりたくないと拒否する方も多いです。そんな中、「キャリアアップしたい!」「挑戦してみたい!」など前向きに考えてくれる人であれば、企業も今後の成長のために採用を積極的に行うと考えられます。
かかりつけ薬剤師などの対人業務を積極的に行う意欲のある方
クリエイトSDで求められる薬剤師として接遇がしっかりしており、かかりつけ薬剤師など対人業務を積極的に行う方が挙げられます。なぜならば、診療報酬改定による減収対策、生き残れる調剤薬局としてかかりつけ機能が備わった経営を行っていく必要性があるからです。他のドラッグストアでは味わえない接遇の感動体験で患者様に選んでもらえるのがクリエイトSDの目指すドラッグストアです。クリエイトSDでは患者さんとのふれ合いを大事にしています。かかりつけ薬剤師による日々の相談はもちろん、お薬の一元管理など地域に根差した関りが求められています。
在宅担当者や近隣医療機関とのコミュニケーションを積極的に行える方
クリエイトSDが求めている人材として在宅医療や近隣医療機関とコミュニケーションを積極的に行える方が挙げられます。高齢者の割合が増えてきており在宅医療の需要が高まっていることが理由です。近隣医療機関や施設と地域医療を行っていくうえで多職種との連携を円滑に行っていくことが重要になります。施設担当やケアマネージャー、担当医師との多職種連携を積極的に行える方が今後の企業の成長には欠かせない人材だといえます。
クリエイトSDへの転職で登録すべき転職サイト5選
ドラッグストアの求人を多く持っている転職サイは比較的多くありますが、反対に全然ドラッグストア求人を持っていない転職サイトもあるため注意が必要です。
ドラッグストア業界は現在、業績も人気も伸ばしている業界になります。ドラッグストア業界はキャリアが様々あり、給与水準も高いためオススメの転職先です。ドラッグストア業界に転職を考えている場合、登録必須のおすすめ転職サイトをご紹介します。